②固定費をスマート化

生命保険の無駄を無くそう

生命保険は多くの方が加入しているものですが、実は人生3大支出と言われる住宅資金、教育資金、老後資金に並ぶ、場合によってはそれ以上の支出になることはご存知ですか?

毎月払えてしまう金額だからこそ、チリも積もれば山となり、数千万単位の買い物になる代表格です。人生に与えるインパクトは確実にTOP3に入ります。

しっかりと考え方を理解して、大切な理想の人生のためにお金を生み出しましょう。

生命保険の加入率

<生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/令和元年度>

生命保険は日本全体の8割以上の方が加入しています。ちなみに、上記の加入率は、民間の生命保険会社や郵便局、JA(農協)、県民共済・生協等で取り扱っている生命保険や生命共済の加入率ですが、個人年金保険やグループ保険、財形は除かれているので、個人年金保険なども含めるとさらに多くの方が加入していることになります。

生命保険に加入する目的

生命保険に加入している方は、ほとんどの場合は次の3つのいずれかの目的で加入をされています。

①万が一の保障のため

加入理由でおそらく一番多い目的かと思います。「死んでしまった時に」「入院・手術をした時に」「がんになった時に」お金がおりてくるようにするために加入する場合です。大きく分けると「死亡保険」「医療保険」「がん保険」に大別されますが、ここ最近では保障内容が細分化して「介護保険」「女性疾病」などに特化したオプションや商品もあります。

②資産運用のため

次に多いのが「銀行に預けてもお金が増えにくいから」という理由で、生命保険を活用して資産運用を行う場合です。老後に備える「個人年金保険」、教育資金に備える「学資保険」、一定期間で運用を行う「養老保険」、ここ最近メジャーになってきている「変額保険」などがあります。

③定額積立のため

「お給料が気づいたら全部使ってしまうから、強制的にお金を貯めたい」という方が積立型の生命保険を活用して、先取り貯金をする感覚で生命保険を活用する場合です。つまり、「お金を使わないようにしたい」という目的で利用する方法です。

①万が一の保障としては、あくまでも補助的な役割

生命保険で万が一の保障という目的においては、社会保障だけでは足りない部分を補助する役割として活用することがポイントです。社会保障を知れば、自分にはどんな保険が必要なのか、理解することができるでしょう。日本では、憲法で「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が規定されいます。そのため、社会保障制度が世界トップレベルに充実していることは大前提として知る必要があります。

社会保障制度を知る

「万が一」とはあらゆるケースが想定されますが、代表的な「❶死亡」「❷病気・怪我」「❸がん」の3種類を解説します。それぞれに対する社会保障がどんなものか、簡単に理解しましょう。

<❶死亡した時>

死亡した場合にお金がおりる死亡保険については、自分は死亡してこの世にはいませんので、お金に困るのは「残された家族(遺族)」となるのが一般的です。死亡した場合の遺族に対する社会保障はどんなものがあるのか、一緒にチェックしてみましょう。

1)遺族基礎年金(+遺族厚生年金)

まずは遺族年金です。年金は20歳〜60歳まで加入が義務付けられており、自営業の方は国民年金、会社員・公務員などの方は厚生年に加入しています。
”年金”と聞くと、定年を迎えた老後に貰えるもの、という印象が大きいですが、年金には老後に支給される「老齢年金」、障害等級によって支給される「障害年金」、死亡時に遺族に支給される「遺族年金」の3つの支給パターンがあります。
遺族基礎年金は子どもがいる場合に支給されます。金額の参考例はこちら。

亡くなった本人、配偶者の給与額や、その他条件によって多少金額が変わったり、支給制限になったりすることもありますので、細かい要件などが気になる方はお気軽に公式LINEアカウントからメッセージでご質問ください。(公式LINEアカウントでのご相談はこちら

2)子ども手当(=児童手当)、母子手当(=児童扶養手当)

次は子ども関連の手当です。こちらの所得制限などありますが、いろいろな事情で多くの時間は働けない場合には満額支給されます。一般的には子ども手当、母子手当と呼ばれますが、正式名称は児童手当、児童扶養手当といいます。それぞれの金額はこちら。

3)死亡後、配偶者は住宅費用がゼロになる可能性+パート100万円

家族を持っている方は、マイホームに住んでいる方も多いでしょう。住宅ローンを組んでいる方の多くは、ローンを組む際に住宅ローン用の団体信用生命保険に加入されているはずです。加入している場合は、ローンの契約者が死亡した場合は住宅ローンが無くなり、毎月の住宅資金は不要になります。
賃貸の場合は、家賃は継続的に必要になりますが、子どもがまだ幼い場合は、肉体的・精神的な理由で親の力を借りるために実家に戻るケースがほとんどで、実家に戻る選択肢を持つことで住宅費用をゼロにすることも可能です。

さらに、親の仕事がお休みの日に子どもの世話をお願いできるのであれば、週2日ほどパートに出ることも十分に可能でしょう。学生時代くらいのアルバイト・パートができれば年額100万円ほどの収入を得ることができます。

■残された扶養家族の生活レベルは?

1+2+3を合計すると、下記の様な生活レベルが想定できます。

ちなみに遺族年金、手当は所得税・住民税は非課税です。毎月約20万円〜約30万円の手取りで、住宅費用がかからないとすると、毎月生活をする分には困らないことがわかると思います。

■必要な死亡保険は「収入保障保険」のみ。

ただ、毎月約20万円〜約30万円で毎月の生活費を補うことはできても、教育資金を捻出するのはかなり難しいものがあります。つまり、「教育資金×子どもの人数分」は民間の死亡保険で備える必要があります。

教育資金は一般的な金額として、幼稚園〜高校が国公立、大学が私立だった場合は約1,500万円/人が必要です。ただ、子どもは大きくなるにつれて、残り支払う教育資金は少なくなっていきます。大学を卒業したら、その後教育資金は必要なくなるので、必要な保険金額は0円になります。死亡保険金額は残りの教育資金に合わせて少なくなっていく保険が合理的です。この教育資金に備えるには「収入保障保険」という死亡保険を活用します。

子どもが2人になる場合は3,000万円、子どもが3人の場合は4,500万円となります。ただし、子どもの年齢や、通うのが国公立・私立なのか、によって必要な保険金額も変わります。自分の状況によって必要な保障額を相談したい方はお気軽に公式LINEアカウントのメッセージにてお気軽にご相談ください。(公式LINEアカウントでのご相談はこちら

<❷病気・怪我>

病気や怪我での入院・手術に備える医療保険。病気・怪我をした際には、治療費が莫大な金額になってしまうのでは?収入がなくなってしまうのでは?という不安がダブルで押し寄せます。しかし、現実では治療費が高額で払えないケースは日本では非常に稀です。
日本では皆保険制度が敷かれており、会社員・公務員の健康保険と、それ以外の人は国民健康保険に加入しています。実際に病気・怪我をした場合にどんな社会保障があるのか、チェックしましょう。

■高額療養費制度

健康保険といえば、歯医者は病院で3割負担になることは広く認知されています。しかし、3割負担といっても、大きな病気や怪我で治療を受ける場合は、非常に高額になってしまう不安が残ります。しかし、日本の健康保険制度には「高額療養費制度」があり、一定金額を超える治療費は健康保険が全て負担をしてくれます。自己負担額の上限額はこちら。

年収によって上限金額は異なりますが、多くの方は約10万円前後で収まってしまうでしょう。病院食は高額療養費には含まれませんが、1食460円×3食=1,380円/日で、1ヶ月入院しても治療費と合わせて15万円ほどでしょう。
さらにここ最近では入院日数は短くなってきており、高齢者も含めた平均入院日数でも1ヶ月未満となっています。総合すると預貯金が50万円もあれば、経済的には十分なケースがほとんどです。

■傷病手当(会社員・公務員のみ)

病気・怪我で働けない間、仕事をすることができず、収入が止まってしまうのでは?と不安になる方も多いでしょう。しかし、会社員・公務員の加入する健康保険には「傷病手当」という社会保障があります。傷病手当の金額はこちら。

少々複雑ですが、大体の金額は「月給×2/3×日数/30」と計算してもらえれば良いかと思います。つまり1ヶ月働けなかったとしても、月給の2/3は手当として支給されるため、すぐに収入が止まってしまうことはありません。
しかし、これは会社員・公務員の人に限定された話で、自営業者などの国民健康保険では基本的に傷病手当がないケースがほとんどのため、少々不安が残るのもの事実です。

■医療保険は基本的には損をしやすい仕組み。精神的な御守りとして、必要最低限の内容で加入する程度に留めるのがおすすめ。

社会保障を知った上で、民間の医療保険の仕組みについて解説します。
テレビCMなどで「入院1日1万円」というフレーズを聞いたことがあると思います。医療保険には多くの商品が存在しますが、ほとんどの商品に共通する面白い特徴があります。それは何歳から加入しても、一生涯で支払う総支払保険料はほとんど変わらない、というものです。
例えば、シンプルな入院1日1万円+手術給付金の100日タイプにおいては、何歳から加入してもだいたい総支払保険料は300万円ほどになります。つまり20歳から加入しても、40歳から加入しても、60歳から加入しても、平均寿命まで生きた場合は300万円ほど保険会社に支払います。

一生涯加入し続ける場合は、実質的にはマイナス300万円からスタートすることになります。入院1日1万円なので、300日入院して初めて元が取れるという計算になります。ただし、入院給付金も連続100日までなど制限がついている場合もあるので、複数回に分けて入院することが必要です。なかなか元が取りづらい仕組みであることは間違いなさそうです。

しかし、自営業者で傷病手当がない場合や、何も加入していない状態はどうしても不安でたまらない、という方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合は、損をすることを承知の上で、精神的な御守りとして、必要最低限の内容の終身タイプの医療保険に加入することをお勧めします。一生涯保険料が変わらない終身タイプは、病気や怪我のリスクが一気に高まる老後において、年金暮らしでも負担にならない金額で続けられるのが一番のメリットです。

<❸がん>

2人に1人がなると言われるガン。しかし、ガンも病気の一つであるため、❷で解説した高額療養費制度、傷病手当が基本的に適用されます。では、なぜ「がん保険」だけは他の病気とは別に商品があるのでしょう?
それは、がんの治療において高額療養費が適用されない”先進医療”という治療のうち、高額な先進医療ががんに集中しているためです。具体的には重粒子線治療、陽子線治療など約300万円ほどの自己負担が必要となる治療を選択できるケースがあります。その際に、金銭的な理由で治療を諦めなくても良いように、診断一時金タイプのがん保険がお勧めです。

しかし、自分自身や親族の資産で300万円以上ある方は、高額な先進医療の支払いをすることができるため、がん保険は基本的に必要ありません。また、がんになった場合に治療を受ける意向がない、また、先進医療の治療を受ける意向がない方にとっては、保険料が掛け捨てになってしまうため、がん保険に支払うお金を貯めるのが合理的でしょう。

②資産運用のため

資産運用を目的にするのであれば、生命保険の他にも、銀行預金、債券、株式、不動産、投資信託など様々な方法があります。そんな中で、「生命保険を選択する理由は何か?」ということです。このポイントを理解するには、資産運用の方法、種類、それぞれの特徴を知る必要があります。特に、日本系の生命保険会社の学資保険や養老保険では、予定利率が低く、手数料負けして元本割れしてしまうケースも少なくありません。資産運用と一口に言っても、それぞれ特徴が異なるため慎重に判断しましょう。

資産運用はリスク&リターンを考慮して始めることが重要です。生命保険は比較的リスクの低い資産運用の方法の一つです。銀行預金に比べると高い利率を享受することができる一方、手数料や外貨保険の場合は為替なども関係します。NISA、iDecoを活用した投資信託や株式投資などの特徴と比較をしながら、自分自身に合った方法で資産運用を行うことが大切です。

③定額積立のため

定額積立を目的にするのであれば、定額預金、別銀行口座への自動送金、会社の財形貯蓄、NISA・iDecoなどでの積立設定、など様々な方法があります。そんな中で、「生命保険を選択する理由は何か?」ということです。この点においては、多くの代替方法があり、①、②の目的が必要ないのであれば、定額積立を生命保険を使って行う必要はありません。

知識を身につけて、自分でしっかり判断しよう

生命保険は、予測不可能な将来への不安、大切な家族への想いとお金が絡み合い、感情と理論がゴチャ混ぜになりがちです。一旦、感情は横に置いて、頭をクールダウンした上で数字や事実を知りましょう。

ここでは、あくまでも一般論としての内容をご紹介しましたが、一部例外的なケースなども存在するでしょう。ご自身の状況を当てはめながら自分自身で考えて判断しましょう。自分だけでは判断できない、など不安な方は公式LINEアカウントのメッセージでお気軽にご相談ください。(公式LINEアカウントでのご相談はこちら