そもそもデビットカードとは?どんな仕組み?
デビットカードとは、ひと言でいうと利用と同時に自分の銀行口座から利用額が引落とされるカードのことです。指定日に利用額が引落とされる後払いタイプのクレジットカードとは違い、即時払い方式を採用しています。しかしクレジットカードと同じように、コンビニやスーパー、インターネットショッピングなど、さまざまなシーンで使うことができます。
ひとくちにデビットカードといっても大きく2種類があります。1つは、J-Debit(ジェイ・デビット)と呼ばれるもの、もう1つは国際デビットと呼ばれるものです。
J-Debitは、ATMなどで利用しているキャッシュカードを使ってショッピングでの支払いもできるというもので、J-Debitの加盟店でのみ利用できます。加盟店は日本全国にありますが、日本国内でしか利用できません。
一方、国際デビットは、Visaなどの国際ブランドと提携しているデビットカードです。Visaデビットであれば世界中のVisa加盟店で利用ができます。海外旅行先での買い物に国際デビットを利用すれば、現地通貨での利用相当額が円換算され、即時に日本の銀行口座から引落とされます。事前に現金を換金しておく必要もなく、便利に使えるでしょう。
デビットカードを持つ6つのメリット
このように買い物などさまざまなシーンで利用できるデビットカードですが、より具体的にデビットカードのメリットを見ていきましょう。
使いすぎる心配がない
デビットカードのメリットとして、まず挙げられるのが使いすぎの心配がないことでしょう。デビットカードは、自分の預金口座残高の範囲内で利用できる決済方法です。クレジットカードのように与信枠があるわけではなく、預金残高以上に使いすぎる心配がありません。
さらに利用額をセーブしたい人は、利用限度額を設定することも可能です。また、支払いをすると即座に口座から利用額が引落とされる仕組みのため、クレジットカードのように分割払いやリボ払いはありません。自分の支払い能力以上に使ってしまうリスクがなく、安心して使えるのはメリットといえるでしょう。
チャージの必要がない
プリペイドカードや電子マネーを使う場合、利用する金額を事前にチャージしておく必要があります。しかし、デビットカードの場合、口座残高から即時引落されるため、チャージの必要がなく、時間と手間の短縮になるでしょう。
また、プリペイドカードや電子マネーを現金でチャージする際には「チャージ単位は1,000円」「1回あたりのチャージ上限金額は2万5,000円まで」など、制限を設けているケースがあります。そのため、現金を持ち合わせていないときや、チャージできる上限金額以上に使いたいときは、不便を感じるかもしれません。
一方、デビットカードであれば、口座残高に応じて支払いに活用できるメリットがあります。
原則、審査なしで発行できる
クレジットカードでは、申込み時に審査が行われ、審査の結果に応じて与信枠が決定されます。一方、デビットカードは与信枠がなく口座残高までしか利用できないため、原則審査なしで発行してもらうことが可能です。また、クレジットカードは通常18歳以上から申込み可能なのに対し、デビットカードは15歳~16歳以上と早い段階で申込みできます。
お金の管理が簡単
デビットカードは支出管理もしやすくなるメリットがあります。例えば、銀行口座から現金を引出す際、引出したことの履歴は通帳に残りますが、当然「引出したお金をどのように使ったか」は残りません。一方、デビットカードであれば、利用した店舗などの決済情報の履歴が通帳に記録されるため、「いつ、なにに、いくら使ったか」が一目瞭然でわかります。また、銀行アプリのあるデビットカードであれば、スマートフォンから口座の履歴とデビットカードの履歴を確認できるため、すぐに通帳記帳できない場合でも確認できて便利です。
家計簿アプリとの連携が可能
銀行によっては、引落し口座と家計簿アプリの連携が可能です。デビットカードの利用履歴を含めて月々の収支状況を手軽に管理できる点は、メリットの一つといえます。
また、銀行アプリや家計簿アプリを活用すれば、時間・場所を問わずにスマートフォンで手軽に口座残高の確認が可能です。定期的に口座残高をチェックすることで、高額な商品を購入する際も、引落し口座の残高が足りないという事態を防ぎやすくなります。
デビットカードは、口座残高以上に使えず無駄遣い防止につながる決済方法ですが、家計簿アプリに連動することで、家計予算に合った支出ができているか定期的にチェックできます。
ATM手数料が不要な場合やポイントでお得な場合も
デビットカードは、現金の代わりとして決済するため、ATMで現金を引出す必要がありません。ATMでお金を引出す際に生じる手数料やATMに行く手間、ATMの利用時間帯等を気にすることが少なくなるのは、大きなメリットといえるでしょう。
また、デビットカードを発行している銀行によっても異なりますが、利用に合わせてポイントが付くデビットカードも多数ありお得です。
デビットカードにデメリットはある?
デビットカードには、多くのメリットがあることを見てきましたが、デメリットもあります。
分割・リボ払いによる後払い(ポストペイ)ができない
デビットカードは支払いをすると即時に口座から利用額が引落とされる即時払いです。そのため、クレジットカードのように分割払いやリボ払いがありません。そもそも口座残高までしか利用できないため、口座残高以上の買い物がしたい場合にはデメリットになり得ます。
しかし、クレジットカードであっても自分の支払い能力以上の買い物は控えたほうが良いため、残高以上に利用できないことはメリットと捉えることもできます。
ETCカードの発行や一部利用できない場合がある
デビットカードは、高速道路などの各有料道路やガソリンスタンドなど、支払いに使えない場所も一部あります。高速道路をよく利用する人にとってETCカードは便利なカードですが、ETCカードの発行には与信枠が必須とされているものが多く、基本的にデビットカードでは発行が難しいものです。
また、クレジットカードであれば、携帯電話料金やプロバイダ料金、生命保険料といった毎月の自動引落としをクレジットカード経由で支払うとカードのポイントを得られる場合があります。しかし、デビットカードではこのような毎月の料金引落としには利用できないケースもあります。
デビットカードのセキュリティ対策!
デビットカードのセキュリティや補償に関して大切なポイントも知っておきましょう。
疑わしい取引等のモニタリング実施
銀行が取り組んでいるセキュリティ対策の一つに、デビットカードの取引状況のモニタリングが挙げられます。例えば、りそなでは24時間365日体制で「不正検知モニタリング」を実施し、不正な取引などがないか常にチェックしています。
Visa Secure搭載
Visa Secureを搭載しているデビットカードであれば、より安全にインターネットショッピングを楽しめます。カード情報に加え、お客さまにて事前設定された専用のパスワード、もしくは、お届けの携帯電話番号へ配信されるワンタイムパスワードを入力することで、本人確認ができ、他人のなりすましによる利用などを防ぐことができます。
カード利用時に届くメールやアプリを確認
デビットカードを利用すると、利用した旨の詳細メールが登録しているメールアドレスに届きます。メールアドレスが複数ある人は、普段よく使っているメールアドレスを登録し、確認しやすい状態にしておくとよいでしょう。
また、アプリの中にはデビットカードの引落としをプッシュ通知などで知らせてくれるものもあるため、万が一不正利用された場合は、すぐに気付くことができるでしょう。
盗難・紛失時には利用の即時停止
盗難に遭ってしまった際や、紛失した際には、カード発行の金融機関の支店もしくはお客さまセンターなどに連絡することで即時に利用できない状態にできます。こうすることで、第三者による不正利用の防止が可能です。万が一の紛失や盗難に備えて、連絡先を確認し携帯電話や手帳などで管理しておくようにしましょう。
キャッシング機能は付いていない
クレジットカードは、現金の借入れが可能なキャッシング機能が付いているのが一般的ですが、デビットカードにはキャッシング機能が付いていないため、現金の借入れはできません。
ただし、デビットカードのなかには、キャッシュカードと一体型になったタイプもあります。りそなデビットカード(Visa)であれば、キャッシュカード機能も付いているため、ATMからお金を引出せて現金支払いにも対応可能です。
クレジットカードと違ってキャッシング枠で借入れたお金ではないため、利息が発生する心配もありません。
支払いは一括のみ対応
デビットカードの支払いは一括のみとなり、クレジットカードのように分割払いやボーナス払いには対応していません。
そのため高額の支払いが必要となるときには、残高が充分にあるか、残高が一気に減っても次の給料日まで困らないかなどを確認してから利用しなくてはなりません。
一方で、クレジットカードなどの分割払いでは、翌月以降も支払いが継続することになり、月々の収支のバランスに影響するおそれがあります。その点、デビットカードでは支払いを一括で済ませられるため、毎月のお金の流れを明確に把握できるのはメリットといえます。
参考:https://www.resonabank.co.jp/kojin/column/visa_debit/column_0007.html?gaParam=typeB